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「オープンイノベーショントークセッション」を3/12(水)に開催しました!
2025年3月12日(水)、千代田CULTURE×TECH のイベント「オープンイノベーショントークセッション」を、東京都千代田区神田錦町にあるKANDA SQUARE 3階 CONFERENCE「C」にて開催しました。千代田区内で、オープンイノベーションの最前線で先進事例に取り組まれている企業の方をお招きしたトークセッションの模様をお伝えします!

<トークセッション登壇者>
野本 雅史 様(写真:左)
トヨタコネクティッド株式会社
先行企画部 新ビジネス統括室 室長
庄司 英功 様(写真:右)
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社
マーケティングビジネスユニット 新規事業開発部
オープンイノベーションラボ Akiba Runway
オープンイノベーションに取り組む理由と背景は?
登壇者の自己紹介の後、最初のトークテーマとして「オープンイノベーションに取り組む理由と背景」について伺いました。
組織の枠を超えた新規事業推進の重要性
庄司氏)オープンイノベーションが必要になった背景として、社内の既存業務と新規事業の考え方の違いがあります。既存事業は目の前の業務改善に重きを置く一方で、新規事業は未来志向の議論が中心となるため、別組織として独立することでより柔軟に動くことができます。
また、具体的なオープンイノベーションの実践例として「植物工場の協業」があります。既存のスーパーの流通構造では食材の鮮度の問題が発生しやすいですが、自社で植物工場を建設し、24時間以内に店頭に並べるモデルを確立することで、食品ロスへの対応や新たな市場創出に寄与することができました。
計画よりも偶然を活かす柔軟な発想
野本氏)オープンイノベーションを難しく考えすぎる必要はありません。「何か新しいことをしなければならない」という固定観念ではなく、現状の課題や満足度に目を向けることが出発点となり、重要なのは「何をやるか」ではなく「誰とやるか」です。まずは信頼関係を築きながらアイデアを生み出すことが重要であると思います。
また、過度な計画がオープンイノベーションの障害となる可能性があり、特に新規事業においては「セレンディピティ(偶然の発見)」が鍵となる場合があります。課題意識を持ち、アンテナを張ることで思わぬチャンスが生まれることがあります。そして、企業がイノベーションを進めるには、ある程度の「余裕」と「自由」が不可欠であると思います。
既存業界の枠を超えた共通課題への気づき
野本氏は庄司氏との対話を通じて、スーパーマーケット業界と自動車業界という異なる業種でありながら、共通の課題を抱えていることに驚いたと話しました。デジタル変革(DX)などの領域でも共通の課題意識があり、業界の違いを超えて協力することの重要性を改めて認識したと語りました。
両登壇者とも、新規事業を促進するには、企業が「自由に挑戦できる環境」を整えることが重要であり、組織内の枠組みや固定観念にとらわれず、柔軟な思考を持つことがオープンイノベーションの成功につながると締めくくりました。
協業先の選定理由は?
次のトークテーマとして、「協業先の選定理由」について伺いました。

成功の鍵は「相性」と「熱量」
野本氏)協業そのものが目的化してしまうと失敗につながってしまいます。経営層の指示により形式的に組むことが決まった場合、現場のモチベーションが伴わず、結果としてプロジェクトが停滞することがあります。協業のポイントとして「強みと弱みの補完関係」と「熱量の一致」が重要で、計画ありきではなく、お互いに課題意識を共有し、本気で取り組む姿勢を持つことが成功の鍵になります。
また、自由度のある組織ほどイノベーションが生まれやすいですが、自由には責任が伴うため、「好き勝手にやること」ではなく、組織として信頼を得られるかどうかが重要です。さらに、経営層がそのような自由な動きを許容できるかどうかが大きな課題になると思います。
ビジョンの一致とスピード感のある意思決定
庄司氏)企業理念や課題認識の方向性が一致していることが、協業成功の重要な条件であると思います。目的が共有されていない場合、プロジェクトが進むにつれて方向性のズレが生じ、最終的なゴールにたどり着けなくなります。
また、ビジョンや計画は固定するものではなく、状況に応じて柔軟に変えるべきで、新規事業は「やりながら考える」ことが重要です。計画通りに進めることよりも変化に適応する姿勢が求められると思います。業界の違いや企業規模に関わらず、多様性を受け入れる姿勢が重要で、様々な環境の人々が集まることで新たな発想が生まれ、イノベーションにつながると思います。
参加者からの声
トークセッション終了後も、参加者から登壇者へ積極的な質問が行われ、その後の交流会でもオープンイノベーションの話題をきっかけに、参加者同士で活発な交流が行われました。参加者からは「トーク内容はとても興味深く面白かった」「異業種同士お二方の登壇で新鮮なお話が聞けた」といった感想をいただきました。
今後もコミュニティやイベントを盛り上げていくため、皆さまのご意見ご要望を頂戴しながら企画運営をしていきます。
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