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児玉佳奈氏の魅力に迫る―千代田CULTURE×TECH アンバサダーインタビュー
この春より、千代田CULTURE x TECHアンバサダーに就任した児玉佳奈氏(株式会社フロウカ 代表取締役)は、広島県生まれ。広告代理店やコンサルティングファームを経て2020年に独立し、その後法人化します。仕事に向き合う度に自らのキャリアを見つめ直し、次の一歩を踏み出してきた姿からは、何事にも全力で取り組む前向きな人柄が伝わってきました。

児玉 佳奈 氏(株式会社フロウカ 代表取締役)
新卒で株式会社アサツーディ・ケイ(現:ADKホールディングス)へ入社。アビームコンサルティング株式会社を経て2020年4月より独立。フリーランスとして活動後、2022年1月に株式会社フロウカを設立。今の関心事は、今後初めて迎える従業員との会社作り。趣味はダンスや読書、スノーボード、旅行など幅広い。総合旅行取扱管理者資格も所有。
コンサルティング業界へ転職した理由

―― まず、児玉さんのご出身、またどんな学生生活を過ごされていたかお伺いできますか?
私は広島県福山市で生まれ育ちまして、県内の高校を卒業するまではピアノとクラシックバレエの習い事に力を入れていました。大学進学にあたっては国連に入りたいと思っていたため、国際関係を学ぼうと考えて、早稲田大学に進学したんです。
当初は留学を考えたものの、海外は後からでも行けると考えて、サークルで学生時代の仲間たちとしかできないダンスに熱中していましたね。
―― 大学卒業後は、広告会社のアサツーディ・ケイ(以下ADK)に入社されたのち、アビームコンサルティングに転職されました。ADKではどんな仕事をされていて、何をきっかけに転職を決められたのでしょうか。
ADKでは雑誌の媒体担当として、広告枠の買い付けやタイアップ案件の進行など、広告業務の全般に携わっていました。 自分が携わった雑誌が店頭に並んで、クライアントの売上やブランディングに貢献できるため、仕事のやりがいはとてもあったのですが、仕事をやればやるほど、企業の経営そのものに興味が湧いて、アビームコンサルティングへ転職を決めました。
―― アビームコンサルティングでは、どんな仕事をされたのですか。
お客様の経営課題を解決するためにどうやって取り組むのか。ゴールを共に考え、構想や戦略を立案していく部署で仕事をしていました。お客様が抱える漠然とした課題に向き合うケースも多く、一見すると全容がつかめない、込み入った課題を具体的に整理していきました。
ただ、私は育成枠の中途採用で入ったので、最初は大変だったんです。パワーポイントの使い方すらままならず、ひたすら先輩が作った資料を綺麗にする仕事を任され、Excelの関数に四苦八苦していました。前職とはまた違う角度で丁寧に育成、鍛えてもらったと思います。
―― 児玉さんは、そんな苦労をどう乗り越えたのでしょうか。仕事が嫌になることはなかったのでしょうか?
自分が仕事を思うようにできないからといって、仕事を嫌になることはなかったですが、周りの人に聞くことは多かったです。仕事を進めるうえで何に悩んでいるのかを自分なりに整理して、上司や先輩に相談しました。「ちょっと飲みに行く?」と誘ってもらうことも多くて、人間関係に救われた部分はありましたね。
お客様のゴール達成に向けて尽力をする

―― その後、2020年4月より個人事業主になられました。コロナ禍のタイミングでしたが、なぜ次の一歩を踏み出したのでしょうか。
2020年3月にアビームコンサルティングを退職したのですが、コロナ禍の始まりと重なったのは偶然です。コンサルティングの仕事などを通じて、一度自分らしく働いてみたいという想いを持って、個人事業主として走り始めました。当初は法人化を考えていませんでしたが、経済面や社会的信用の観点から2022年に株式会社フロウカを設立しました。
―― 改めて、フロウカではどんな事業をされているのでしょうか。
大きく三つの事業があります。一つ目は、経営コンサルティング事業です。業種、業界、会社の規模を問わず行っているメインの事業になります。二つ目は、大人女子塾という女性向けのキャリア育成サービスを、今ローンチに向けて準備中です。三つ目は、何かをやりたい人と一緒に事業を立ち上げるプロジェクトです。現在は、アパレルと絵本屋さんの運営をやっています。
―― メインとなる経営コンサルティング事業では、どのようにサービスを提供されているのでしょうか。
お客様からは、漠然とした内容でご相談いただくこともよくあるんです。例えば「売上が伸びなくて困っている」という大まかな悩みなど。業界や業種を問わず、経営や採用、人材育成ではつまずくポイントが似ていますので、私はその根本の原因を探って処方箋を出すようなアプローチで、コンサルティングをするのが得意です。
最近の例で言えば、企業のデジタルトランスフォーメーションの取り組み支援や、新規事業の立ち上げにおけるアイデア出しやアセットの整理、事業化に向けた計画立案の伴走が多く、また、海外展開に向けたご相談もいただく機会が増えてきました。お客様と一緒に手を取り合って汗をかきながら取り組む場合もありますし、人材育成では私が研修の講師を務める場合もあります。
―― 仕事に対して日々、全力で取り組んでいる印象です。仕事をするうえでのポリシーはありますか。
大切にしていることは、お客様にしっかりと向き合うことです。コンサルティングという仕事は明確な形のある商品こそありませんが、お客様との取り組みを通じて、相手様がどうなりたいのか。設定したゴールを達成するためにどうすべきか。絶対的な正解がない問いに対して仮説を立てて、ゴール達成に向けて尽力することが私のポリシーです。
目に見える成果をお返しし、お客様の役に立つものを積み重ねていく意識で、仕事をしています。
―― ちなみに、日々いろいろな案件に携わっていらっしゃいますが、オンとオフの切り替えは、どうやっているのですか。
私は、オンとオフを大きく切り替えるタイプではありません。小さく切り替わっている感覚です。平日日中でも10分ぐらいのすきま時間で、オフになるときもあります。ランチやちょっとしたカフェタイムも気分転換になりますね。お客様に対してちゃんとアウトプットを出す前提で、他の時間をどう使うかは自分で決めるようにしています。
多様なメンバーの皆さんと信頼関係を作っていきたい

―― そんな経験をされてきた中で千代田CULTURE x TECH(CCT)のアンバサダーに就任していただきました。最初、オファーをどう感じましたか。
私は独立にあたり、千代田区にあるTOKYO創業ステーションのサービスやプログラムを利用していたのですが、CCTの事務局の方とはその場を通じて、以前からお話をする機会がありました。今回アンバサダー就任のお声掛けをいただき、嬉しさもありつつ、私で大丈夫ですか?と思ったのが正直な気持ちです。
―― オファーを受けていただく決め手はありましたか。
まずは私の役割として、どういうことを期待されているのか確認しました。その結果、自分自身の経験やノウハウを生かすことができる気がしました。具体的には、私が持っている起業の考え方や、課題解決のアプローチなどがコミュニティメンバーの皆さんに役立つと感じられ、オファーを受けさせていただきました。
―― 今年3月のミートアップへ参加者のお一人としてお越しいただきましたが、CCTのコミュニティに対して、どんな印象を持ちましたか。
本当にいろいろな方がいると感じました。会社の大きさも違えば、コミュニティに参加されている目的も違うなど、実に幅広いです。
これからそのような方々にお会いする機会が増えると思います。様々な方がいるからこそ、まずはお互いに人となりや、どんな目的を持ってコミュニティに参加されているのかなどをお話しさせていただき、信頼関係を作っていければいいなと思っています。
答えが無い世界で、一緒に課題や悩みを考えて

―― まず、お互いの人となりを理解できれば、円滑にコミュニケーションができそうです。コミュニティメンバーが児玉さんに効果的な相談をするために、どんな事前準備をしていただくのがいいでしょうか。
起業を目指している方も、起業している方も、答えの無い世界を走っていると思います。だからこそ、ご自身の中で一旦考えて、どのあたりで考えが詰まっているのかを整理した状態で相談に臨んでいただくと、建設的な時間になると思います。
今までも壁打ち相談の経験があるのですが、まれに明確な答えを求めている方もいらっしゃいました。お気持ちは分かるのですが、私もあいにく絶対的な答えは持っていないのが現実です。相談を受ける際は、先生的な指導者というよりも相談者の課題や悩みを一緒に考えていくスタンスで向き合わせていただいています。コンサルティングでは、論点を出すとも言いますが、課題や悩みに対して、相談者様ご自身の中の考えを深めるための質問をするアプローチを取ることが多いです。
例えばAという製品に対して品質とコストの課題についてお話しいただいた場合、なぜ?を深ぼる質問を投げかけたり、納期やサプライチェーンはどうするんですか?など別角度の質問を投げかけたり、ご本人の中で顕在化していないことを言語化できるようにサポートできればと考えています。
その過程で、必要に応じて私の経験談や、私なりの仮説をお伝えして、最後はご本人が前に進める決断や、最適解を選ぶ一歩につながれば良いなと思います。
―― ありがとうございます。では最後にコミュニティメンバーへ、メッセージをいただいてもいいでしょうか。
やはり、一緒に頑張りましょう!という気持ちですね。どうしようかと悩んでいる方の相談に乗ると、ひとまず次の一歩が見えてくるということがよく起きるんです。きっと皆さんのお力になれるのではないかと思います。
お話を伺った企業

株株式会社フロウカ
2022年1月設立。ミッションに「関わる全ての人が、ガーベラの花言葉のように、明るく、希望を持って前進する機会を創る。」を掲げて、コンサルティング事業や教育事業、カフェ事業・EC事業を行っている。社名は、「常に前進」「希望」「前向き」といった花言葉を持つガーベラの和名“扶郎花”にちなんで命名されている。
【開催中】アンバサダーによるオンライン相談会
CCTオンラインコミュニティでは、コミュニティメンバーの皆さまの活動をサポートするため、アンバサダー(児玉さん、大谷さん)によるオンライン相談会を開催中です。「事業開発」「成長戦略」「資金調達」「創業までのプロセス」など日々お悩みがあるものの、なかなか解決の糸口が見つからない。途中までは課題を整理できても、その先に進まない……。そんな時はぜひ一度、ご活用ください。