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ピッチの「型」と「心構え」を学ぶ…「千代田CULTURE x TECHアクセラレータープログラム2025」DAY5を開催
Day5プログラム最終日、テーマは「ピッチ」

千代田CULTURE x TECHは10月15日(水)、「千代田CULTURE x TECHアクセラレータープログラム2025」DAY5を開催しました。8月にスタートした本プログラムも、あっという間に最終回です。この日のテーマは「ピッチ」。スタートアップの経営者であれば、ビジネスコンテストや資金調達など様々な機会で求められるスキルになります。
講師としてお招きしたのは、細江裕二氏(株式会社idscope 代表取締役)です。『「相手の心を動かす!」プレゼンスキルアップセミナー』と題して、経営戦略支援や事業形成支援を行ってきた同氏が、信頼を獲得し、聞き手の行動を促すためのピッチの「型」と「心構え」を解説。ここではその一部をご紹介します。
基本原則は、シンプルさと共感

細江氏はまず、自己紹介を例に挙げて、その内容は「シンプルであることが求められる」と説きました。初対面かつ時間も限られた中で行われるだけに、自分たちのやりたい事や背景を知らない相手にすべての情報を伝えることは難しいのです。
そんな聞き手の様子を想定して、同氏はスタートアップの経営者が行う事業説明、つまりプレゼンテーションやピッチの目的は「信頼を得ること」と「自分(自社)を知ってもらうこと」と話しました。信頼を得るためには、共通の知人、出身、趣味、課題といった共通項を伝えることで心理的ハードルを下げる工夫が不可欠であり、知ってもらうためには分かりやすく、簡潔に伝える必要があるのです。
そして、2つの目的を達成することで聞き手の「共感」が生まれます。聞き手の思っていることを代弁すること。「そーそーそれ!」と言いたくなる事柄を伝えることで、当初は相手にとって興味がない話でも、共感を覚えて振り向いてくれることへつながります。さらに、短時間で共感を高めていくことで徐々に「確かに必要かも」「私もそう思っていた」という心理になり、「もう少し知りたい」「ちょっと考えてみよう」という一歩進んだ行動を引き出すことにもなります。
心を動かすピッチの構成要素とは?

では、共感を生むピッチはどうやればいいのか。細江氏は「相手の心を動かし、行動を促すための事業説明には“明確な構成”が求められる」と強調。推奨する構成として「共感を軸に全体像と具体的な内容を配置する」と明かしました。
具体的に見てみましょう。構成要素として5つあります。1つ目は「共感で振り向かせる」ため、課題を共有し、2つ目は「全体像を伝える」ため、ビジネス全体と取り組む事柄を示します。3つ目は「具体的な内容を語る」ため、事例やメカニズム、解決プランを見せる。4つ目は「共感のリマインド」として、改めて課題や共通項を想起させる説明を挟みます。そして、クロージングとなる5つ目で、聞き手の行動意欲を高めるため「熱く(ピッチを)締める」のです。
1つ目の「共感で振り向かせる」と、4つ目の「共感のリマインド」でビジネスの全体像と具体的に取り組む事柄を挟むように構成するのが、細江氏が説くピッチ術の極意になります。
また、この日は分かりやすいピッチができるように、ビジネスモデルの組み立ておよび表現方法、投資家が見るポイントも解説されたほか、ピッチでやってはいけないことも紹介されました――。余白を埋めるために、なんとなくイラストを入れる。関心を引くために、ピッチ冒頭で事業と関係ないつかみを入れる――。様々なNG例も示されて、自らのピッチを見つめ直す機会にもなりました。
全日程が終了。学びだけでなく、人と人のつながりも

この日はピッチの「型」と「心構え」を学ぶとともに、採択者が実際にピッチを行って、細江氏からのフィードバックを受けられる時間も設けられました。ピッチとひと言で言っても、VCから資金調達を行うためなのか、新規提携候補先への事業説明なのかなど、目的はさまざま。同氏から寄せられたアドバイスは、今後の糧になるでしょう。
そして本日をもって、アクセラレータープログラムの全日程が終了しました。採択者同士、3ヶ月で学び合うだけでなく、有志で食事をしながら懇親会も実施されたそうです。交流を通した人と人のつながりがきっとこの先、役立つに違いありません。千代田CULTURE x TECHは、成長した採択者の皆さんとまた再会できることを、楽しみにしています。
▼【各回のレポートはこちら】千代田CULTURE x TECHアクセレータープログラム2025
