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「ビジネスコンテスト2024」を3/19(火)に開催しました!

2024年3月19日(火)、「千代田CULTURE×TECH ビジネスコンテスト2024」をStartup Hub Tokyo 丸の内にて開催しました。

千代田区内のスタートアップが自身のビジネスプランをもとに外部審査員による評価を受けることができるだけでなく、資金調達やネットワーク拡大のきっかけを提供することでスタートアップのさらなる成長を加速させるために実施された本コンテスト。

事前審査を通過した7社が登壇し、「千代田CULTURE×TECH AWARD」と「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program(5月15日~16日開催)での事業紹介特典」をかけた熱いピッチが繰り広げられました。

登壇者一覧

企業名役職氏名
株式会社Alis代表取締役・CEO志 強
codeless technology株式会社代表取締役・CEO猿谷 吉行
コンプライアンス・データラボ株式会社代表取締役山崎 博史
Sympal株式会社代表取締役合田 圭佑
株式会社Cell-En代表取締役樋口 貞春
株式会社27th代表取締役楢󠄀村 紘史
日本美容創生株式会社代表取締役兼CEO金山 宇伴
※登壇順、敬称略

開会挨拶・審査員紹介

開会にあたり、千代田区地域振興部商工観光課 産業企画担当係長 高木正勝より挨拶を行った後、審査員3名の紹介とご挨拶をいただきました。

ビジネスコンテスト2024審査員

審査員一覧

企業名役職氏名
創業手帳株式会社代表取締役社長大久保 幸世
株式会社MMインキュベーションパートナーズ代表取締役社長宮地 恵美
i-nest capital株式会社代表パートナー山中 卓
※敬称略

ピッチ登壇・質疑応答

各社によるピッチは、制限時間5分、質疑応答3分で実施。
審査は、「新規性」、「市場性」、「課題性」の3項目を基本に行われました。

  • 新規性:従来にない要素があり、新規性に富んでいるか
  • 市場性:十分な市場規模を有し、他社と比較した際に優位性があるか
  • 課題性:課題と解決手法が適切に設定されているか

ここからは各社のピッチと質疑応答の内容をお伝えします!

株式会社Alis

1社目は、株式会社Alis 代表取締役・CEO 志 強さんです。

同社は、宿泊業界にDXを活用することで新しい価値を提供します。具体的には、館内サービスの多言語化システム「HOTEL SAPO」を提供しています。

「次世代内線call」は30ヶ国語に対応しており、客室からの外国人宿泊客の問い合わせに、音声、チャット、ロボットの3種類により、瞬時に日本語のままで対応が可能です。各スタッフが携帯する端末で問い合わせを受けることで人員を最小化し人手不足を解消します。

また、海外の旅行代理店と直接日本語で対話することができ、集客の支援も可能です。さらに、ホテルの案内ビデオを作成する場合、ナレーションなどを自動的に音声変換して多言語化することができ、全世界に対応した配信をすることができます。費用面についても月額19,800円からと、競合に比べて効率の良いものになっています。

質疑応答では、山中氏よりビジネスモデルについて質問があり、志さんより「ホテルに課金する。安価でP B X(構内交換機)の代わりとなるため、経費を60%削減することが可能」との回答がありました。

大久保氏からは、「志さんは外国から日本に来て困ったことがあったからこのシステムを作ったのでは?」との質問があり、「確かに、自分の母国語で日本の方とコミュニケーションをとれるシステムを作りたいというのが、個人的な希望でもある」とのお話がありました。

codeless technology株式会社

ビジネスコンテスト2024_codeless technology_ピッチの様子

2社目は、codeless technology株式会社 代表取締役・CEO 猿谷 吉行さんです。
同社のミッションは「Make It Easy」。
IT担当者のいない中小企業が、簡単にDXに取り組める世界を実現することを目指します。

2023年の日本企業におけるDX白書によると、133万社が未だにDXができていない状況で、特に課題が残っているのは“現場”です。同社の開発した「Photolize」は、使い慣れた書類を写真に撮って送るだけで、デジタルフォームとして利用ができるサービスです。

これにより、システム導入時の「制作」、その後の「入力」、「管理」の3つの負担を最小限にすることができます。特許出願も完了しており、すでに日本たばこ産業など15社以上のさまざまな業種で利用されています。

10年以内に無料プランを100万ユーザーに提供し、有料プランを40万ユーザーに提供していきたいと考えています。
質疑応答では、宮地氏より「そもそも紙のフォーマットが整っていない場合もあるのでは?」との質問があり、「紙の書類と同様に、現場でシステムに慣れながらフォーマットを使いやすく変えていくことができ、そこをご評価いただいている」との回答がありました。

山中氏からは、「営業の手離れは良いか?」との質問があり、「導入には問題ないが、有料プランの移行にはフォローが必要だと感じている」との回答がありました。

コンプライアンス・データラボ株式会社

ビジネスコンテスト2024_コンプライアンス・データラボ_ピッチの様子

3社目は、コンプライアンス・データラボ株式会社 代表取締役 山崎 博史さんです。
同社は、データで高度なリスク管理を支援する「コンプライアンス・ステーション® シリーズ」を提供しています。

近年、金融機関や大企業におけるコンプライアンス管理にはより高度なものが求められるようになっており、そのチェック対象はUBO(実質的支配者)のみならず、資本系列や取引先にまで広げる必要があります。同社は、「データ技術」×「企業リスク知識」×「データソース」の3つを組み合わせて、複雑なコンプライアンスリスクを瞬時に判定できるスカウターの開発を進めています。

サービスとしては、実質的支配者情報を提供する「コンプライアンス・ステーションⓇUBO」、法人・個人の名寄せ及び関係性を構築する「コンプライアンス・ステーションⓇConnect」、リスクを総合的に判断する「コンプライアンス・ステーションⓇリスク評価」があり、それぞれ、金融機関、大手新聞社、中央省庁などに導入されています。

今後は、統合プラットフォームを構築し、そこから海外へ展開していきたいと考えています。
質疑応答では、山中氏、宮地氏より「データベースは既存のものだとすると、独自のバリューや技術的な強みは何か?」との質問があり、「弊社はグローバル企業の出身者が集まっており、さまざまな情報ソースからデータを統合し大きなデータベースを構築・運用する技術があり、重複のない精度の高いデータとインサイトを提供できる。属性情報を見ながら細かくスコア化する独自のアルゴリズムがある」との回答がありました。

Sympal株式会社

ビジネスコンテスト2024_Sympal株式会社_ピッチの様子

4社目は、Sympal株式会社 代表取締役 合田 圭佑さんです。
同社は、明治大学のビジネスコンテスト(明治ビジネスチャレンジ)から誕生した第1号ベンチャー企業。
ミッションは、「愛犬の健康寿命を延伸すること」です。

現状、ペットフードは飼料や雑貨として扱われ、超加工品に該当するため、添加物も多く、栄養が損なわれ、さらに風味や栄養素も失われているものが多く存在するそう。そこで同社は、愛犬のための“ごはん”として「MEDIFRESH」を開発しました。

食品工場で製造を行い、長期的には食品としての販売を目指しています。原材料も国産で、人間が食べる食品と同じものを使用しているため安心してペットに食べてもらえます。また、加熱加工のみなので食材本来の風味を損なわないため、ペットの食いつきが非常によいことも特徴です。
本物のヒューマングレードを提供し、「おいしさ」「安心信頼」「加齢における身体機能の悩み」を解決します。

質疑応答では、山中氏より「競合との差別化は?」との質問があり、「冷凍ではなく、常温というのが特長。もう1つは、食品衛生法に準拠していること」との回答がありました。

大久保氏からは「実際、どこまでできているのか?」との質問があり、「食品工場でペットフードを製造する法律を含めた難易度が高かったが、そこはクリアしている。8月には販売予定で、初期では観光地、ホテル、タワーマンションでの販売を予定している」との回答がありました。

株式会社Cell-En

ビジネスコンテスト2024_Cell-En_ピッチの様子

5社目の発表は、株式会社Cell-En 代表取締役 樋口 貞春さんです。
同社は、生物発電を主軸として、効率的な発電技術の開発から製品設計まで、幅広く活動しています。バイオ分野からエネルギー問題を解決するため、生物発電装置の開発を進め、事業化しました。

生物発電とは、微生物が有機物を分解する過程で放出した電子を電気に分解する技術です。地球環境をほとんど汚染せず、脱酸素とエネルギーの安定供給を同時に提供できます。

事業化の課題として、電力の安定性、重量、コスト、残渣物の問題が挙げられますが、より発電効率の高い発電機の探索と配置を開発することで、高い発電力を可能としました。

ビジネスモデルとしては、小型・中型については自社生産、大型はライセンスモデルとし、顧客は個人や自治体、ゼネコンや商社を想定し、2027年までの実現を目指しています。

質疑応答では、山中氏より「エビデンスとなる論文などはあるのか?」との質問があり、「研究自体は微生物燃料電池という形で1911年くらいから研究されている。研究レベルで、まだ実用化はされていない」との回答がありました。

続いて「太陽光はイメージしやすいが、既存のものと代替可能なのか?」との質問には、「太陽光と比較すると、常時発電が可能で気象条件を問わないというメリットがある。太陽光はライバルではなく補完関係と考えている」との回答がありました。

株式会社27th

ビジネスコンテスト2024_株式会社27th_ピッチの様子

6社目は、株式会社27th 代表取締役 楢󠄀村 紘史さんです。日本語のオンライン学習サービス「gokigen japanese(ごきげんジャパニーズ)」を運営しています。

日本語学習は従来、就労や留学を目的にした主にアジア圏の人向けがメインでした。しかし、最近では、漫画やアニメなどクールジャパンの文脈で日本文化に興味を持っている人たち、主に欧米人からのニーズが増加しています。その新しいニーズに向けて、日本語を使って日本語を学ぶ直接法ではなく、英語を使って日本語を学ぶ間接法で、英語が堪能な日本語講師が日本文化の紹介を交えた形でオンラインレッスンを提供するサービスを開発しました。また、海外でも人気のコンテンツである『進撃の巨人』の台詞を使った教材(講談社・権利者から使用許可を取得済)を使用していることも大きな訴求ポイントです。

昨年の7月にサービスをスタートし、アメリカ、ヨーロッパなど、英語圏の方を中心に利用いただいている状況です。利用者からは、「語学のアプリで学ぶより楽しい」「さまざまな文化・語彙・文法などがうまくミックスされたレッスンが魅力的」と評価されています。

質疑応答では、山中氏から「例えばエンジニアなど、先進国の高度人材に日本で働いてもらうといった、将来的な発展性を持っていた方がビジネスの奥行きが出るのでは」という意見がありました。

大久保氏からは、「事業の成長ドライバーは何か?」との質問があり、「仕事で使うよりもニーズとしては弱いが、日本のアニメはすごく有名なので、コミュニティ化やイベントなどがポイントとなるだろう」との回答があった後、「千代田区には秋葉原がある(ので活用できるのでは)」とのアドバイスがありました。

日本美容創生株式会社

ビジネスコンテスト2024_日本美容創生株式会社_ピッチの様子

7社目は、日本美容創生株式会社 代表取締役兼CEO 金山 宇伴さんです。
20年以上の美容業界での経験を活かし、女性のビューティーヘルスケア事業を立ち上げています。

同社は、地域の婦人科と美容室を繋げた更年期エコシステム事業を展開しています。更年期を迎える女性の9割が30代の頃に比べて心身の変化を感じている反面、約7割が何も対策せず我慢をしています。自身の更年期症状の度合いが判断できないため、誰に相談すればよいのか分からず、婦人科受診をためらっているのが実情です。

そこで更年期を迎える女性のための伴走型アプリ「Beauty Venue(ビューティーベニュー)」を開発しました。このアプリは婦人科医師の小山嵩夫氏が開発に携わり、更年期症状の問診表(SMI)をデジタル化し女性自身で症状の度合いをセルフチェックすることができます。また結果によって最適なケア方法を提案します。さらにフランス南西部の森だけに生育する単一種の松の樹皮から採ったエキス、ピクノジェノール®を使った更年期サプリメント「ピノケア ピクノジェノール®」も開発しました。

同社のユニークポイントは美容室を起点としたマーケティング展開です。美容師は長年担当するお客様の変化に気づくことができるため、美容室で美容だけでなく健康相談ができる認定制度を作りました。渋谷区での効果検証では美容室を利用する40~50代女性の9割がアプリをダウンロード、さらに2割が更年期サプリメントを購入したという結果が出ています。これから美容団体と連携し「美容室はまちの保健室®」を全国に広げていきます。

今後はアプリに蓄積される更年期データを解析し、フェムケア、フェムテックの企業と連携することでユーザーひとりひとりの最適なヘルスケアの提供、まちの婦人科とのハイブリッド型のオンライン診療ホルモン補充療法の構築を目指していきます。

宮地氏からは「サロンでサプリを勧められることに抵抗感はないか?」との質問があり、「お客様との関係性のある中で、更年期サインのある方にアプローチしています」との回答がありました。

結果発表

7社のピッチが終了した後、審査タイムを経て上位3社が発表されました。

1社目の受賞は、codeless technology株式会社 代表取締役・CEO 猿谷 吉行さんです。

大久保氏コメント
「プレゼンの完成度が高かった。書類の多い官庁街のある千代田区にふさわしいサービスだと思いました」

2社目の受賞は、コンプライアンス・データラボ株式会社 代表取締役 山崎 博史さんです。

ビジネスコンテスト2024_受賞記念写真_コンプライアンス・データラボ

宮地氏コメント
「日本の名だたる金融機関の本社があるのが千代田区です。ぜひここからグローバルへ成長していってほしいと思います」

3社目の受賞は、株式会社27th 代表取締役 楢󠄀村 紘史さんです。

ビジネスコンテスト2024_受賞記念写真_株式会社27th

山中氏コメント
「人の人生をも変えてしまうようなサービスになること、秋葉原の地の利を活かしてくれることに期待を込めました」

受賞者には「千代田CULTURE×TECH AWARD」のほか、5月15日~16日に開催される「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Programでの事業紹介特典」が進呈されました。

総評

最後に、審査員より総評をいただきました。

大久保氏
「秋葉原のカルチャー、丸の内の金融、書類の官庁街・霞ヶ関という、千代田区を網羅した3社の受賞となりました。ぜひ千代田区という地の利を活かして事業を加速していってください」

宮地氏
「とにかくスタートアップは使えるものはなんでも使ってください。受賞された方もされなかった方も、せっかく千代田区と関係ができたわけですから、使い倒して成長していってほしいと思います」

山中氏
「グループの中で1人が起業すると必ず他の人も起業します。周りに与える影響というのはすごく大きい。もちろん交流が仕事のメインではないけれど、せっかく熱量のある人たちが集まったので、ぜひ接触して成長の糧にしてください」

交流会

審査中に交流会の時間が設けられたほか、閉会後も登壇者と参加者が直接挨拶をしたり、登壇者同士での名刺交換や情報交換を行ったりする様子も多く見受けられました。

VCや企業のマーケティング担当、広報担当、マスコミ関連の方、千代田区の方々などと、さらに意見を交わす様子や、より深い内容の質疑応答も盛んに行われ、最後まで活気に溢れたイベントとなりました。

ビジネスコンテスト2024交流風景